公認心理師って何?

 

 2019年に最初の資格取得者が生まれた本邦初の心理系国家資格です。

 

 ~以下長文です~

 

 諸外国の場合、臨床心理士が医師や弁護士に並ぶ国家資格として成立、心理療法を担っていますが、日本では国家資格化されずに、公認心理師という別の資格が国家資格として新設されました。

 

 では、臨床心理士と何が違うのかと言えば、公認心理師資格を作り上げたのは、臨床心理士資格を作り、発展させて来た先達たちと言えるので、やや乱暴ですが、同一線上にあると言って良いと考えられます。

 

 それでも違いとしてあるのは、公認心理師には、相談者への「助言」「指導」「教育と情報提供」を行うよう、課せられたことでしょう。

 

 臨床心理士の場合、むしろ「助言や指導はするな」という教育・訓練を受けた人達が多いものと思われます。

 

 ここには臨床家に対する「知った気になるな。あくまで来談者の独自性を尊重しろ。その人の中にある力を引き出せ、活かせ。何かを押し付ける様なことはするな」という本質的訓告があり、これも大変重要な事です。

 

 おそらく、公認心理師の場合、神経発達症群(発達障害)等への適切な対応を発展させる事が狙いにあり、認知行動療法や心理教育など、一層に学習促進的な臨床技法を磨くことが求められているものと考えられます。

 

 これも、既に発達障害の臨床を行っている臨床心理士であれば実践していて当たり前のことなのですが、この必要性を国が明白に意識した結果、国家資格の役割とし、明文化されたものだと考えられます。

 

 また、公認心理師による臨床業務が「保険適用となる」という進展は、臨床家も利用者も望んでいる事であり、喫緊の課題であるのは間違いないでしょう。

 

 心理職の国家資格化は悲願とされて来たのですが、ここには、臨床家のレベルの確保は勿論の事、保険適用となり、全ての人が経済的な意味でも気軽に、当然の権利として、心理臨床家を利用出来るように、という願いが込められて来たのです。

  

 いずれにせよ、「国家資格化したから良し」ではなく、保険適用という大きな課題は残されており、また、臨床家1人1人が自身の臨床力向上に努めるのは当然ということに関しては、臨床心理士も公認心理師も違いはありません。

 

ご連絡/ご予約

メモ: * は入力必須項目です