多くの効果研究により、有効である事が証明されています。
~ 以下長文です ~
しっかりと学び、実践している臨床心理士が行う臨床心理学的対人援助(心理療法/カウンセリング)に効果があることは、多くの研究が明らかにしています。
ただし、臨床心理学的援助とは、専門家が一方的にクライアントに施術する、という性質のものではなく、最初から最後までクライアントと臨床家との「共同作業=共構築」によって進みます。
また、臨床家は自転車の補助輪に例えることが出来ます。ペダルを踏み込むのも、進む方向を決めるのもクライアントご本人です。
よって、クライアント側が「あなた(臨床家)に全部お任せしますよ、何とかしてくださいね」というスタンスだと成立しづらいものだとお考えください。
これは習い事に例えても分かり易いかもしれません。講師がいかに熱心に教えようと、本人が漫然とそこに居て、自ら修練しなければ技術は向上しないでしょう。また、参加頻度が低いようでは、やはり技術は伸びないでしょう。これに似ています。
臨床心理学的援助は、決して一方的な押し付けではないのです。
クライアントを「その方自身の専門家」として尊重し、各種援助は専門家同士の共同作業で成立するものと捉えます。この共同作業を主体的に行えるほど、臨床家との信頼関係が築かれるほど、その効果は現れることが分かっています。
この場合の主体性とは、元気になりたい/変わりたい/成長したい…といった「願望」や「困り感」や、「実践する事」(話す/聴く/考える/書く/行動に移す)などを指します。
もちろん、うつ病や失声失語など、意欲が減退していたり、話す事が出来ない状態もありますが、こういった場合でも「願望」や「困り感」だけでも持って来ていただければスタートをきれます。
また、臨床心理学や精神医学では「本人かその周囲が困っている」状態を課題/問題とみなしますが、「周囲は困っているが、当の本人に困り感(問題意識)が無い」という状態ですと、効果が出るまで一層の時間を要することが多くあります。
しかし、この状態であっても、周囲に変化への意欲があり、関わり方を変えるなどの実践を行うことが出来れば、効果は生じて行くことがほとんどです。